阪神・藤川が東京ドームに別れ 巨人・原監督の粋なはからいに「感謝ですね」

今季限りでの現役引退を表明している阪神藤川球児投手(40)が、東京ドーム最終戦となった25日の巨人戦終了後、グラウンドに姿を現し現地のファンたちへ別れのあいさつを行った。

巨人サイドの粋なはからいにより、球場内に藤川の登場曲、リンドバーグの「every little thing every precious thing」が流れる中、藤川は外野左翼席から三塁側のスタンドに手を振りながら場内を半周。終始穏やかな笑顔でファンたちとの別れを惜しんだ。 「感謝ですね。原監督とはWBCでも一緒に戦った仲ですし、子供のころからの憧れの人。東京ドームは少年時代の原点の一つですからね」と万感の思いを吐露した。  この日の試合には出場しなかったが、球団関係者によると「もし藤川が試合に出場するようなら、原監督からの心遣いでマウンドに上がる際にリンドバーグを流してくれる予定だった」という。  虎の火の玉守護神と巨人の名将。球界内の立ち位置は違うが、双方の敬意とノーサイドの精神がよく表れた別れの一幕となった。

ヤクルト五十嵐 引退セレモニー後に伝説の右翼フェンスよじ登り

ヤクルトの五十嵐亮太投手(41)が、引退セレモニー後のグラウンド一周で伝説の右翼フェンスよじ登りパフォーマンスを披露した。

約7分間のあいさつを終え、高津監督や涙ぐんでいた石川を笑顔に変えると、慣れ親しんだマウンドの上で5度宙に舞った。  その後ファンの声援に応えるため、グラウンドの一周へ。右翼フェンスにゆっくりと近づくと、勢いよくフェンスをよじ登った。ファンの声援に最後まで笑顔で答え続け、手も振った。  これは2001年の日本一になった際に古田らが行い、さらに宮本も引退試合で披露した伝統のパフォーマンス。五十嵐は「やろうと決めていた。あそこからの景色を見たいなと」と笑顔を見せ、「もたついたら恥ずかしいので、渾身(こんしん)の力で登りました」と話した。

今日ドラフト!近大・佐藤と早大・早川に最大4球団の競合予想…2人は本当に「10年に1人の逸材」なのか?

プロ野球のドラフト会議が今日26日、午後5時より開催される。前日までに1位指名を公表したのは7球団。近大の大型スラッガー佐藤輝明に巨人、オリックスソフトバンクの3球団、早大の155キロ左腕の早川隆久にはロッテ、ヤクルトの2球団が早くも重複した。共に最大4球団の競合が予想されるが、果たして2人はどの球団に引き当てられるのか。そして本当に投打の注目選手は10年に1人の逸材なのか。

佐藤1位を巨人、ソフト、オリが公表

 ドラフトを24時間後に控えて動きが出た。ここまで明言は避けてきた巨人とソフトバンクが“近大のギータ”こと近大の佐藤の1位指名を公表。ヤクルトが早大の早川、中日が地元の中京大中京の高橋宏斗の1位指名をそれぞれ明らかにした。  これで佐藤の1位指名は、すでに公表していたオリックスに加え巨人、ソフトバンクの3球団となり、阪神も1位指名すると考えられているため4球団の競合が濃厚となった。野手で4球団競合は2018年の中日・根尾昴(大阪桐蔭)、広島・小園海斗(報徳学園)以来となる。  早川はロッテ、ヤクルトの2球団の競合が決定。  日ハムが苫小牧駒大の伊藤大海の1位指名を表明していることから動向がわからないのは広島、横浜DeNA楽天、西武の4球団となった。チーム状況を考えると、この4球団は、即戦力投手に照準を絞ると考えられるため、早川の1位入札に参加する可能性はある。  ただ、横浜DeNA、西武、広島の3球団は、競合を避けて確実に狙った選手を1本釣りする傾向が強い。広島はトヨタ自動車の栗林良吏、横浜DeNAは明大の入江大生の単独指名に動く可能性もある。いずれにしろ今ドラフトの注目は投打の大学生2人の行先だろう。  では、この2人は本当に競合にふさわしい「10年に1人の逸材」なのだろうか。  佐藤の関西学生リーグで放った通算14本塁打は、現巨人3軍監督の二岡智宏(近大)の13本を抜きリーグの新記録である。決してプルヒッターではなく、逆方向にも打てる器用さがあり、通算打率も.288をキープ。加えて188センチ,94キロの巨漢ながら足も速く、50メートルを6秒フラットで走る、仁川学院時代は、キャッチャー。当時から「1.80秒台」のクイックスローを誇る強肩とくる。「走攻守」の揃い方のスケールが違う大器だ。本塁打、打率、打点、そして盗塁の4冠王も狙える逸材との評価があり、今秋のリーグMVPに輝いた。ソフトバンク柳田悠岐と比較されるのもわかる。  ヤクルトのスカウト時代に池山隆寛広沢克己(現・克実)らスラッガーを指名した片岡宏雄氏も、佐藤の長所をこう見ている。

急転直下のルール撤廃 元メジャーの田沢純一、ドラフト指名あるか!? 

プロ野球のドラフト会議は26日、東京都内で午後5時から開催される。埼玉県熊谷市でファンと一緒に指名を待つ選手がいる。米大リーグでワールドシリーズ制覇も経験し、今季途中から独立リーグルートインBCリーグ埼玉でプレーする田沢純一投手(34)。2008年にメジャー挑戦を表明し、日本球界入りに大幅な制限を加える「田沢ルール」を突き付けられた右腕だ。日本野球機構(NPB)が今年9月、ルール撤廃を決め、障害はなくなった。「運命の扉」は開かれるか-。

 埼玉はドラフト当日、田沢が記者会見を予定する熊谷市内の会場にパブリックビューイングができるスペースを設け、80人限定でファンと一緒に見守る。  横浜商大高出身の田沢は新日本石油ENEOS(現ENEOS)時代の2008年にドラフト会議での指名を拒否し、米大リーグのレッドソックスと契約。13年には上原浩治氏とともに救援で活躍し、ワールドシリーズ制覇に貢献した。その後もマーリンズなどでプレー。メジャー通算388試合に登板し、21勝26敗4セーブをマークしている。  NPBは田沢のメジャー挑戦を受け、人材流出を懸念。アマチュア選手がNPB球団を経由せずに海外でプレーした場合、高卒選手は帰国後3年、大学・社会人出身選手は同2年、ドラフト指名を凍結するという「田沢ルール」を申し合わせた。以来、12年もの年月が流れ、この間にアマチュアからメジャー挑戦した選手はほとんど出なかった。  田沢は3月にマイナー契約していたレッズを自由契約となり、7月に埼玉入り。社会人以来となる日本のマウンドに立った。入団会見時に存在した田沢ルールについては「個人的にはそういうルールはなくなればいいなと思う」と語っていた。  日本プロ野球選手会が8月、ルール撤廃を申し入れたこともあって急転。NPBが9月7日の実行委員会で撤廃を決め、田沢にNPB入りの道が開けた。  日本人選手が初めてNPBの球団と契約する場合、規約でドラフト指名を受けなければならず、メジャーで実績のある田沢も例外ではない。過去にも、メジャーで活躍したマック鈴木らがドラフト指名を経てNPB球団と契約した。田沢は14日のチーム最終戦に登板後、取材に応じて「指名されたら、いろんな人と相談しながら決めたい」と語った。実績十分の右腕を指名する球団はあるか、注目される

ドラフト直前、各球団の「穴」を可視化 補強すべき年齢、ポジションは?

 2020年のプロ野球ドラフト会議がきょう26日に行われる。新型コロナウイルスによる多大な影響を受けたアマチュア球界から一体、何人の選手が指名されるのか。

 

 今年は多くの大会、リーグ戦が中止となったが、その中でも高校生では高橋宏斗(中京大中京高)、中森俊介(明石商高)、小林樹斗(智弁和歌山高)、山下舜平大(福岡大大濠高)といった投手、大学生では早川隆久(早稲田大)、伊藤大海(苫小牧駒澤大)、木澤尚文(慶應義塾大)らの実力派投手に加え、佐藤輝明(近畿大)、牧秀悟(中央大)、五十幡亮汰(中央大)といった野手陣が上位候補とされる。さらに社会人にもトップ評価の栗林良吏(トヨタ自動車)がおり、昨年のような怪物級の目玉選手はいないが、好素材が豊富にそろっている年だと言えるだろう。

 

 その中で、セ・パの12球団がどのような戦略を持って“運命の日”に臨むのか。常勝軍団を作り上げるためにはスムーズな世代交代が必要で、そのためには長期的なプランを持ったドラフト指名が重要になる。そこで12球団の所属選手を年齢層別に「右投手」、「左投手」、「捕手」、「内野手」、「外野手」のポジションに分けて“穴”を可視化。それに照らし合わせながら、各球団の補強ポイントを見定めたい。